〔国土〕 ウクライナは、東ヨーロッパの国。面積総計603,700km2(世界第43位)。水面積率は極僅かである。東でロシア連邦、南で黒海、西でハンガリーやポーランド、スロバキア、ルーマニア、モルドバ、北でベラルーシに接し、ウクライナのクリミア半島にはクリミア自治共和国がある。
ウクライナは、24の州と、クリミアにある1つの自治共和国、そして2つの特別市から構成される。
1.チェルカースィ州
2.チェルニーヒウ州
3.チェルニウツィー州
4.ドニプロペトローウシク州
5.ドネーツィク州
6.イヴァーノ=フランキーウシク州
7.ハルキウ州
8.ヘルソーン州
9.フメリヌィーツィクィイ州
10.キロヴォフラード州
11.キエフ- 首都および特別市
12.キエフ州 - 州
13.ルハンスク州
14.リヴィウ州 |
15.ムィコラーイィウ州
16.オデッサ州
17.ポルタヴァ州
18.クリミア自治共和国
19.リヴネ州
20.セヴァストーポリ- 特別市
21.スムィ州
22.テルノーピリ州
23.ヴィーンヌィツャ州
24.ヴォルィーニ州
25.ザカルパッチャ州
26.ザポリージュジャ州
27.ジトーミル州 |
〔主な都市〕 
西部:リヴィウ ・イヴァーノ=フランキーウシク・チェルニフツィ
東部:ハルキウ・ルハンスク・スムィ・ポルタヴァ
南部:ドニプロペトローウシィク・オデッサ・ヘルソーン
クリミア:ヤルタ・シンフェロポリ・セヴァストポル
〔人口〕 総計47,732,079人(2004年)。世界第25位。人口密度79人/ km2。
〔首都〕 キエフ。最大の都市でもある。
〔気候〕 気候は温暖な大陸性気候であるが、クリミア半島の南岸は地中海性気候により近い。降雨量は局所的に偏っており、北部や西部は多く、南部や東部は少ない。冬は黒海沿岸は涼しいが、内陸に行くに従って寒くなる。夏はほとんどの地域で暖かいが、当然南に行くほど暑い。
〔自然〕 ウクライナの国土のほとんどは、肥沃な平原、ステップ(草原)、高原で占められている。ドニエプル川、ドネツ川、ドニエステル川が横切っており、南のブーフ川とともに、黒海、アゾフ海に注ぎ込んでいる。南西部にあるドナウ川のデルタ地帯はルーマニアとの国境になっている。山岳地帯は、クリミア半島の最南端の沿岸部と西部のウクライナ・カルパト山脈にしかない。最高峰はカルパト山脈にあるホヴェールラ峰で標高2,061メートルある。なお、これ以外の地域も平坦というわけではなく、東ヨーロッパの中では比較的起伏の多い地形をしている。
〔ユネスコ〕 世界遺産−キエフ ソフィア大聖堂と関連する修道院建築物群
* ペチェルスカ大修道院(1991年)
* リヴィウ 歴史地区の遺産群(1998年)
* シュトゥルーべの測地弧(2005年)
〔チェルノブイリ〕 1986年に発生したチェルノブイリ原子力発電所の爆発事故により、放射性物質に汚染され廃墟と化した。ほとんどの住民は事故後、他所に避難したままだが、少数の(主に年老いた)住民はチェルノブイリで死ぬことを望んだため、完全に無人にはなっていない。事故後の人口は1987年が最も多く約1200人(推定)、2003年現在300人(推定)。人口は減少傾向にある。事故直前の人口は10万人以上いたといわれている。
この規模の原発事故は前例がなく、世界の原子力開発で史上最悪の事故とい
われている。
当時、爆発した4号炉は休止中であった。原子炉が止まった際に備えた実験を行っていたところ、制御不能に陥り、炉心が融解、爆発したとされる。爆発により、原子炉内の放射性物質が大気中に大量に(推定10t前後)放出された。
当初、ソビエト連邦はこの事故を公表しなかったが、翌4月27日、スウェーデンでこの事故が原因の放射性物質が検出され、4月28日、ソビエトも事故の公表に踏み切った。日本でも、5月3日に雨水中から放射性物質が確認された。
爆発後も火災は続き、消火活動が続いた。アメリカの軍事衛星からも、核の火に赤く燃える原子炉中心部の様子が観察されたという。ソビエト政府によれば、5月6日までに大規模な放射性物質の漏出は終わったとされる。
〔政治・法律〕 ウクライナの政体は、司法・立法・行政の三権が分立する議会制民主主義(共和制)である。大統領は、5年任期で国民投票によって選ばれ、首相や政府の閣僚を任命する権限をもつが、それには議会の承認を得なければならない。ウクライナの国会は、「ウクライナ最高会議」を意味する「ヴェルホーヴナ・ラーダ・ウクライィーヌィ」と呼ばれ、一院制で450議席を有する。全議席は全国区の比例代表制によって選出されるが、政党もしくは選挙ブロックは全投票の3%以上を獲得しなければ議席を得ることができない。2006年の選挙では議席を獲得した政党は5党。議員の任期は5年。議会は立法、国際協定の批准、予算の裁可および首相の承認・罷免、閣僚の承認・罷免を行う。
〔軍隊〕 ウクライナ軍は、地上軍(陸軍)、海軍、空軍の3軍種から成る。2005年末の時点で、総員24万5千人(内、軍人18万人)。かつて存在したウクライナ防空軍は2004年に空軍へ併合された。 
ウクライナには、ウクライナ軍以外に、ウクライナ内務省ウクライナ国内軍・ウクライナ国家国境庁
の準軍事組織が存在する。他に野党臨時政府(臨時革命政府・救国委員会)という組織が創設した人民自衛隊という準軍事組織がある。
〔経済・通貨〕 通貨はフリブニャ。補助通貨はコピーカで、100コピーカが1フリブニャである。2007年1月現在1ドル=5.05フリブニャ。
ソビエト連邦時代は、連邦内の重要な農業および産業地帯であったが、現在は天然ガスを中心とするエネルギー供給のほとんどをロシアに依存しており、経済の構造改革の遅れと相まって、他国の影響を受けやすいものになっている。
1991年、政府はほとんどの物資の価格を自由化し、国有企業を民営化するための法制度を整備した。しかし、政府や議会内で強い抵抗が起きたことから、すぐに改革は停止され、過去に逆行するような政策がとられた。1999年の生産高は、1991年の40%にまで落ち込んだ。1993年の末頃には、通貨政策の失敗によりほとんどハイパーインフレーションの段階にまで至った。
現在の政府は、経済への介入を極力減らし、調整方法を合理化することに努めるとともに、企業家を支援する法環境を整備し、包括的な税制の改革を行った。ただし構造改革の政治的な問題に関わる分野や農地の民営化に関する改革は遅れている。
国際通貨基金(IMF)を初めとする国際機関は、金融支援を早く引き上げられるように、ウクライナの改革の進展と範囲の拡大を支援している。
〔言語〕 主要な言語は、公用語であるウクライナ語である。公式統計によれば、ウクライナ語を母語とする国民は7割に達する。また、多くの国民はウクライナ語とロシア語の2言語を理解する。ロシア語は、公式なステータスを持たないが、ハルキヴなどの東部、オデッサなどの南部、キエフなどの中部を中心に全土で広範囲に渡って話される。西部ではウクライナ語人口が増えロシア語は一般的ではない。ウクライナ語、ロシア語は、ともに東スラヴ語に属し、近似した言語であるが、ウクライナ語はポーランド語やチェコ語など西スラヴ語に近い部分も多い。なお、ウクライナ語においては多数の方言が存在している。
〔宗教〕 主な宗教は、東方正教の一つであるウクライナ正教である。ウクライナ正教はモスクワ総主教に属していたが、ウクライナの独立とともに、モスクワ主教から分離独立したキエフ主教が設立された。他に少数派として、ウクライナ・カトリック(ユニエイト(ウニアット)・東方典礼)、ウクライナ自治正教会、ラテン典礼、プロテスタント、ユダヤ教、イスラム教の共同体がある。
〔教育〕 1995年から6歳から17歳までの11年間が義務教育である。小学校・中学校に相当する9年間は同じ学校に通い、10年目以降は普通学校と専門学校のいずれかを選択することになる。このため11年間同じ学校に通う生徒も存在する。
必須科目はウクライナ語のほか、情報学、経済学などで、英語は1年生からの必須科目で、ロシア語は選択科目となっている。
ウクライナの学校は、3月末に1週間の春休み、6〜8月に3ヵ月間の夏休み、12月末〜1月に約2週間の冬休みがある。
〔食〕 代表的なウクライナ料理として、じゃがいもやにんじん等の野菜を肉や赤かぶで煮込んだボルシチ、ゴルブツィ(ロールキャベツ)、餃子のようなバレニキ(中身は肉やじゃがいもやキャベツ等いろいろある)が挙げられる。
〔祝祭日〕

1月1日 元旦
1月7日 クリスマス
3月8日 国際女性デー
4月移動祝日 復活祭(ウクライナ正教)
5月1・2日 労働の日(旧メーデー)
5月9日 勝利記念日(対ドイツ戦勝記念日)
5月復活祭の第8日曜日 三位一体の日(ウクライナ正教)
6月28日 憲法記念日
8月24日 独立記念日
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